紹介
### 概要分析
Terra BridgeはTerraform Labsが開発した公式のクロスチェーンブリッジサービスである。2022年のTerra生態系崩壊以前は、TerraネットワークとEthereum、Binance Smart Chain、Harmonyなどの異なるブロックチェーン間で資産移動を可能にする重要なインフラとして機能していた。
### 技術的特徴
ブリッジはアトミックスワップ技術を採用し、ユーザーがLUNA、UST(現LUNC、USTC)、各種CW-20トークンを外部チェーンと安全に交換できるように設計されている。EVM互換チェーンとの接続にはスマートコントラクトを活用し、非TerraチェーンではMetaMaskなどのウォレット連携が可能となっている。
### ユーザーインターフェース
インターフェースは最小限に設計され、送信元チェーン・送信先チェーンの選択、金額入力、ウォレット接続の3ステップで操作が完結する。日本語を含む多言語対応しているが、専門用語が多く初心者にはやや難易度が高い。
### セキュリティ対策
マルチシグネチャウォレットとコールドウォレットを組み合わせた資産管理を採用。ただし2022年5月のTerra崩壊に伴い、ブリッジの利用頻度とロック資産量は大幅に減少しており、現在は主に旧資産の移行目的で利用されている。
### 市場的位置付け
Terraブリッジは他の汎用ブリッジ(Multichain、AnySwapなど)と比較すると機能が限定されているが、Terra生態系内での利用では手数料面で優位性があった。現在は新規開発が停止しており、事実上レガシーサービスとして維持管理されている状態である。
### 将来性
Terra 2.0(現Luna Classic)への移行後は、新LUNAチェーンとの互換性が追加された。しかしTerra生態系全体の信用失墜により、クロスチェーンブリッジとしての競争力は大きく損なわれている。現状は既存ユーザー向けの資産移行サービスとしての役割が主である。