紹介
【プラットフォーム概要】
Raribleは2019年に設立された分散型NFTマーケットプレイスで、イーサリアム、Polygon、Flowなど複数のブロックチェーンをサポートしています。OpenSeaなどの競合プラットフォームと異なり、分散型自律組織(DAO)の仕組みを早期に導入し、プラットフォームの意思決定をコミュニティに委ねている点が特徴的です。2020年に発行したネイティブトークンRARIは、プラットフォームの利用やガバナンス投票に使用され、真のクリエイターエコノミーの実現を目指しています。
【技術的特長】
Raribleの技術的強みは、独自開発のRarible Protocolにあります。このプロトコルはNFTのミント、取引、管理を標準化するオープンソースのAPIで、第三者開発者が独自のNFTマーケットを構築する際の基盤として利用可能です。また、Lazy Minting機能により、ガス代なしでNFTを事前作成できる仕組みは、クリエイターの参入障壁を大幅に低下させました。さらに、IPFSを活用したコンテンツの分散保存により、作品の永続的な保存性を担保しています。
【日本市場における位置付け】
日本のNFT市場においてRaribleは、海外アーティストとの連携に強いプラットフォームとして認知されています。日本語対応が進んでいること、また国内クリプトアートコミュニティとの協業イベントを定期的に開催している点が、日本ユーザーにとっての利点です。ただし、国内法規制への対応という観点では、金融商品取引法に基づくトークン取引のガイドライン明確化が今後の課題となる可能性があります。
【競合比較】
主要競合であるOpenSeaと比較すると、Raribleの強みはガバナンストークンによるコミュニティ中心の運営モデルにあります。取引手数料は双方とも2.5%で同水準ですが、Raribleは手数料収入の一部をRARIトークンの購入に充てることで、実質的なユーザー還元を図っています。また、2022年に導入した独自のセキュリティプロトコル「Rarible Protocol」により、詐欺NFTの自動検出精度がOpenSeaを上回るという第三者評価もあります。
【今後の展望】
Raribleは2023年から「マルチチェーンエコシステム」への移行を加速しており、TezosやSolanaなどのチェーン追加を計画しています。また、企業向けNFTソリューション「Rarible Enterprise」の提供開始により、B2B市場への進出も視野に入れています。さらに、メタバース領域では仮想土地の取引機能拡充と、主要メタバースプラットフォームとの相互互換性確保に注力する方針を示しています。